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セールスイネーブルメントの取り組みを企業の営業活動に取り入れ、成果を上げている企業もあります。そこでこちらの記事では、「セールスイネーブルメント」とはどのような取り組みなのかといった点に加え、実際に導入した事例についてもまとめています。
「セールスイネーブルメント」とは「セールス(営業)」と「イネーブル(〜をできるようにすること)」という2つの英単語を組み合わせた言葉。ビジネスを行う中で成果を上げることを目的として行う営業組織の強化などへ向けた取り組みを指しています。
これまで営業組織を育てるためには上司が先輩に教え、人材を育成するという方法が一般的でしたが、セールスイネーブルメントでは「営業組織全体を育てる」点を目的として仕組みを作っていくという違いがあります。この点から、営業の研修やツールの導入、プロセスの分析などの施策を総合的に設計し、それぞれの施策の貢献度などを数値化・分析し、営業活動の最適化と効率化を目指していきます。
セールスイネーブルメントを実施することによって、まず組織全体における営業力の向上が期待できます。これは、営業活動や人材育成の仕組み化が行えるためです。
営業活動を行う上では属人化が起こりやすいという面がありますが、セールスイネーブルメントの実施によってノウハウを共有でき、人材育成に活かせるために営業組織全体のパフォーマンスを向上できるといった点が大きなメリットといえるでしょう。
成績を上げている営業がどのような取り組みを行っているのかを見える化し、その内容を仕組み化することによって組織全体の営業力の底上げが可能となります。さらに、このノウハウを活かすことで人材の育成もしやすくなるといえます。
セールスイネーブルメントを導入した6社における成功事例をご紹介します。セールスイネーブルメントに興味はあるが、何からやるべきなのか、成果が出るか不安、とお考えの営業担当者の方はぜひ参考にしてください。
Sansanは、一人ひとりの営業メンバーの生産性が高止まりしていることに課題を感じていました。営業組織全体として生産性を高めるためには、新たな営業人材の増員が必要な状態でした。
しかし、人員を増やすと、メンバーの生産性にバラツキがでるだけでなく、教育する基盤も必要となります。 営業メンバー増員に伴う、人材育成の効率化のためにセールスイネーブルメントを導入することとなりました。
人材育成の土台作りのために、まずはSFAを活用して営業プロセスの管理からスタートしました。しかし、SFAを導入してもあまり定着せず、営業フェーズを7つに区切って中間KPIを設定し、KPIでマネジメントを行うように促しました。
結果的にセールスイネーブルメントの導入によって、営業メンバーの人員が倍になっても、生産性を下げることなく人員を育成できるようになりました。さらに、生産性の維持だけでなく、教育するマネージャーの負担も軽減され、人材育成の効率化に成功しました。
NTTコミュニケーションズは提供するソリューションと顧客のニーズの多様化により、営業プロセスの複雑化に課題を感じていました。ソリューションに合わせて営業スタイルも変化させる必要がありますが、従来のスタイルに慣れてしまっている営業メンバーが多く、柔軟に対応ができていませんでした。
営業スタイルをチェンジさせるための仕組みづくりとしてセールスイネーブルメントを導入することとなりました。
自発的に学習する習慣をつけるために、シェアリングサクセスの仕組みづくりを行いました。成績の良い営業メンバーにインタビューをして、営業ノウハウを可視化。
顧客との信頼関係構築から受注までのプロセスをセールスイネーブルメントのプログラムに組み込むことで、営業スタイルの変化を促しました。
結果的に営業ノウハウの共有スピードがアップし、営業メンバーが主体的に学ぶ仕組みを構築できました。セールスイネーブルメントをただの育成プログラムとしてではなく、営業現場をサポートするためのツールとしてメンバーに定着させることに成功しています。
成果を輩出し続ける人材育成の仕組みである「セールスイネーブルメント」。
営業ツールの拡充や研修制度の整備などの取り組みを通じ、個人の能力に依存しない営業組織をつくることを意味します。
セールスイネーブルメントに取り組む企業は、取り組みのない企業に比べ、営業予算達成率が10.6%、営業成約率が約6.6%高いことが明らかになっています(※)。
成果を出す組織をつくれるセールスイネーブルメントを実現するために重要なのは、自社の課題をしっかり把握し、それに合わせた対策を打つこと。
このサイトでは「トップ営業マンに頼りがち」「新人が育たない」「研修の効果を把握できない」といった課題を解決する仕組みづくりやツールを紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
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(セールスイネーブルメントツール)
セールスフォース・ドットコムは、新入社員の育成と売上も拡大しながらのカスタマーサクセスの実現に課題を感じていました。特に中途採用者の育成に関して、教育体制を構築する必要がありました。
次々と入社する中途社員を早く独り立ちさせるために、中途社員向けのオンボーディングプログラムであるブートキャンプの仕組みづくりから始めました。社員の教育体制を整えるためには、社内の協力体制が必須です。
そのため、それぞれのチームのトップがメンバーにプログラムへ協力するように呼びかけ、プログラムへの理解を広げていきました。
結果的に中途社員の教育体制が整い、成長の早期化に成功しました。セールスイネーブルメントの導入によって、教育体制が整備されただけでなく、社員が自ら学ぶ環境の土台も構築することができました。
トランス・コスモス株式会社では、顧客に対してさまざまなビジネスプラットフォームを販売していたものの、商材の数が非常に多く、その中から顧客に合うものを提案するための営業提案のパターンが無限といえるほど存在している状況でした。
お客さまへの提案において成果の上がった営業方法などを効率よく吸収・習得していくための方法を模索して行く中で、同社ではBtoBのセールスイネーブルメントツールを導入し、利用を開始しました。
ツール導入後は、社内のナレッジの共有や検索をしやすくなったことで、営業が簡単にその内容を参照できるようになったという変化が現れました。また、導入したセールスイネーブルメントツールを動画型の営業マニュアルとしても使用したことで、トレーニングにかかる時間も短縮されて効率も上げられています。
食肉をメインとして野菜や魚などを総合的に取り扱い、全国に5つの営業所を持つ株式会社プレコフーズでは、それぞれの営業所ごとに営業プロセスが異なっていたこと、さらに営業の属人化が起こっていた状態でした。
上記の課題を解決するために、SFAツールを導入。5つの営業所の垣根を超えてコミュニケーションやノウハウの共有を行う仕組みづくりに取り組んでいます。
ツール導入後は、これまで各営業所で異なっていた営業手法が一元的に管理されました。さらに、ツール上の機能も活用することによって、新規顧客開拓数が大幅に増加したという成果が挙げられています。
株式会社セレブリックスは、「営業支援」という無形のサービスを提供している会社です。そのため、営業の仕組みを作らなければそれぞれの営業の間でスキルや提案内容についてばらつきが発生するというリスクを抱えています。
同社では、営業の仕組みづくりを行うために「営業活動をデータ化する」「営業データを定量分析・定性分析する」「営業課題を設定し、さらに解決策を特定する」といった取り組みの他に、「営業課題の解決につながる教育ツールや営業ツールの設計、作成、運用」といった点に取り組んでいます。
上記の取り組みを行うことにより、具体的な数値をもとにして営業成果を判断できるようになったこと、さらに課題設定やプランニング、研修などにも活かせています。このようにして、最適なセールスフローを各営業が実現できる環境を構築しています。
商談の勝ちパターンがつくれる | 資料の勝ちパターンがつくれる | 顧客情報を 見える化できる |
営業資料を 見える化できる |
人が育つ仕組みを つくれる |
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ACES Meet(ACES)※1 ![]() |
ABook Biz(AGENTEC)※2 ![]() |
Senses(マツリカ)※3 ![]() |
Sales Doc(Innovation & Co.)※4 ![]() |
UMU(ユームテクノロジージャパン)※5 ![]() |
「セールスイネーブルメントツール」でGoogle検索し表示された企業およびITreviewでセールスイネーブルメントツールを扱っているとして掲載されていた16社のうちから、以下条件で選出をしております。(2022年3月調査時点)